PCTの19条補正はすべきか

 PCT出願後に国際調査報告を受領したとき、国際段階でクレーム補正するのが19条補正です。国際調査報告で新規性や進歩性欠如が指摘されていて、もっともと考えられ、補正しておいた方が効率良く権利化できそうな場合にのみ、19条補正をすれば良いと思います。なお、34条補正(明細書の補正)もありますが、それ程活用されていないようです。

 PCTの19条補正は、①書簡(letter)これには補正書と、条約第19条(1)に基づく説明書を添付、及び②請求の範囲の差替え用紙、を国際事務局へ提出します。19条補正の提出に併せて、見解書に対する非公式コメント(タイトルは「Informal Comments)も提出できます。郵送またはFAXまたはePCTでのオンライン提出が可能です。以下に文例を示します(下記URL参照)

https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/seido/index.html

https://www.wipo.int/pct/ja/appguide/index.jsp

(条約第19条の規定に基づく補正の書簡 文例)

Date : . . .

International Bureau of WIPO

34, Chemin des Colombettes,

1211, Geneva 20  Switzerland

Amendment of the claims under Article 19(1)(Rule 46)

International Application No.: PCT/JP / International Filing Date: . . .

Applicant: (Name and Address, Telephone number)

Agent: (Name and Address, Telephone number) Applicant's or Agent's File reference:

Dear Sir/Madam

The Applicant, who received the International Search Report relating to the above identified International Application transmitted on .............., hereby files amendment under Article 19(1) as in the attached sheets.

We hereby would like to amend the claims and , and also cancel the claims and .

The word(s)/expression(s)/sentence(s) “  ” of the claim is/are based on the paragraph [  ] of the description as filed.

The claim is based on the paragraph [  ] of the description as filed.

The Applicant also files as attached herewith a brief statement explaining the amendment and indicating any impact the amendment might have on the description or the drawings.

Very truly yours,

Signature

Name

Signatory Capacity

Attachment:

 (1) Amendment under Article 19(1) 1 sheet

 (2) Brief Statement 1 sheet

 

(条約第19条の規定に基づく補正の書簡 文例訳文)

日付: . . .

International Bureau of WIPO

34 Chemin des Colombettes

1211 Geneva 20  Switzerland

条約第19条(規則46)の規定に基づく請求の範囲の補正

国際出願番号: PCT/JP /

国際出願日: . . .

出願人:(氏名(名称)、あて名、電話番号)

代理人:(氏名、あて名、電話番号)

出願人又は代理人の書類記号:

拝啓

上記国際出願に係る日.月.年発送の国際調査報告を受領した出願人は、条約第19条(1)の規定に基づく補正を、別添のとおり提出する。

出願人は、請求項 を補正し、請求項 を削除する。

請求項1「  」の記載は、出願時の明細書の段落[   ]に記載された事項に基づく。

請求項  の記載は、出願時の明細書の段落[   ]に記載された事項に基づく。

出願人は、また、補正並びに当該補正が明細書及び図面に与える影響の簡単な説明書を、別添のとおり提出する。敬具

署名

氏名

(肩書)

添付書類:

(1)条約第19条(1)に基づく補正書 1枚

(2)条約第19条(1)に基づく説明書 1枚

 

条約第19条(1)に基づく補正書

請求の範囲

[請求項1](補正後)

[請求項2](削除)

[請求項3](削除)

[請求項4](補正後)

[請求項5]

[請求項6](削除)

[請求項7](削除)

[請求項8](削除)

(注1)請求の範囲の補正には、補正後の請求の範囲全文を記載した差替え用紙の提出が必要です。

(注2)補正を行った項には、項番と本文の間に「(補正後)」、「(削除)」、「(追加)」の表示をします。下線を引くことはできません。

(注3)請求項の「(削除)」は、「本文」を削除し、項番のみ残します。

 

条約第19条(1)に基づく説明書

請求の範囲第 項は、・・・・・・・・・ことを明確にした。

引用例は、・・・・・・・・・・・・・・である。

本発明は、・・・・・・・・・・・・・・効果を得たものである。

請求の範囲第 項は、・・・・・・・・・ことを明確にした。