響きが良く、短く印象に残り覚えやすい商標(同一又は類似)は、多くの商品・役務に使用される傾向にあります。例えば、商標「メビウス」を称呼類似検索しますと、219件がヒットし、主なものだけでも、
(1)日本たばこ産業㈱がタバコ(34類など)に「MEVIUS」(メビウス)を1977年から使用、
(2)アサヒ産業㈱が洋服(25類)に「Mebius」を1995年から使用、
(3)シャープ㈱がコンピュータ(9類など)に「Mebius」(メビウス)を2009年から使用、
(4)ダイハツ工業㈱が自動車(12類)に「MEBIUS」を2013年から使用、等々で、いずれも登録されています。
なお、「メビウス」の語源は、人名(例えば、1800年代のドイツの数学者・天文学者Möbius)です。
従来、慣例的にグランドバックにより同一又は類似の商標が複数の異なる出願又は権利者に登録されることがありましたが、2024年(令和6年)4月1日からは商標法改正により所謂コンセント制度が導入されますので、上記傾向は顕著になりそうです。※商標法第4条に第4項を新設し、同条第1項第11号に該当する商標であっても、先行登録商標権者の承諾を得ており、かつ、先行登録商標と出願商標との間で混同を生ずるおそれがないものについては、登録が認められます。