商標の識別性、商標権の効力は如何に<特許庁HPの商標審判決集より>

  特許庁HPの商標審判決集は、商標の識別性や商標権の効力を知るための宝庫です。以下に2例を紹介します。

(1)商標「フランク ミュラー」と「フランク三浦」(称呼の識別性と外観及び観念の識別性との対比)

 本件商標「フランク三浦」は,第14類「時計,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,身飾品」を指定商品、引用商標「フランク ミュラー」は,第14類「時計,時計の部品および附属品,…」を指定商品。

 本件商標と引用商標は,称呼において類似するが,外観において明確に区別し得るものであり,観念においても大きく異なる。その上,本件商標及び引用商標の指定商品において,商標の称呼のみで出所が識別されるような実情も認められず,称呼による識別性が,外観及び観念による識別性を上回るともいえないから,本件商標及び引用商標が同一又は類似の商品に使用されたとしても,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるとはいえない、と判断されました(知財高裁平成27年(行ケ)第10219号)。

 (2)瀬戸大橋の図柄の登録商標

 原告は、第30類「菓子、パン」を指定商品とする、瀬戸大橋の図柄(下記左)の登録商標の商標権者。被告は、 瀬戸大橋の図柄(下記右)の商標を菓子の包装紙、パッケージ、パンフレットに印刷して使用する業者。

 被告使用の商標は、瀬戸大橋周辺の地域で生産又は販売されている商品であることを認識させるものであり、商標権の効力が及ばない範囲であるとされました(岡山地平成6年(ワ)第639号)。(ヒント)普通に用いられる方法で表示するものでなければ、登録を受けられるし、効力が及ばない範囲にもならない、と言える?